<日本ハム3-3ロッテ>◇25日◇札幌ドーム

 日本ハムがロッテと延長10回の末、引き分けた。中田翔内野手(23)が初回に先制適時打を放つなど序盤を優位に進めたが、8回に石井裕也投手(31)が同点本塁打を浴びた。栗山英樹監督(51)は逃げ切れずのドローを悔やみながらも、負けなかったことを前向きにとらえた。2位西武が勝ち、ゲーム差は1に迫られたが、今日26日以降の結果次第で、最短で28日に優勝マジックが点灯する。

 3時間41分の間、スタンドには歓声、悲鳴、さまざまな声が交錯した。結果は、白でもなく黒でもなく…。試合後の指揮官の表情も複雑だった。

 栗山監督

 負けるよりは負けない方がいいけど、勝ち切らなきゃいけない試合でもあった。誰が悪いってことはない。誰かが悪いんだったら、オレが悪い。負けなかったんだから、また明日取れれば。

 結果的には1点リードの8回、石井がホワイトセルに浴びた同点弾が痛恨だった。8試合連続無失点中だった安定度抜群の左腕が、コントロールミス。「アウトローを狙ったボールが、甘くなりました。悔しいです」。この日最大の悲鳴と、その後に静寂。勝利まであとアウト6つという場面で、試合は振り出しに戻った。

 栗山監督

 石井は本当に頑張ってくれている。ああいうこともある。石井だけじゃなく、みんなを信頼している。(7回を投げた)モルケン、宮西も頑張ってくれた。状態がいいのは間違いない。

 逃げ切り失敗を、敗因には挙げなかった。それでは、攻撃面はどうだったか。中田の適時打で先制し、3回には西川、稲葉の適時打で追加点を挙げながら、4回以降はスコアボードに「0」が並んだ。ともに逆転負けを喫した21、22日の西武戦と同じ傾向。

 栗山監督

 でも一昨日(23日)は(追加点が)取れてるわけだから。いい形でリードできた。中軸がチャンスで凡退?

 3、4番が打たないで負ければ、彼らは責任を感じていると思う。みんなでもう少し点が取れればよかったけど、でもそう簡単に点は取れないから。

 好守どちらも、指揮官は前向きに捉えた。西武とのゲーム差が1ゲームに縮まったとはいえ、首位にいる優位さは変わらない。最短で28日にも優勝マジック3が点灯する。リーグ制覇にもっとも近いのは、日本ハムだという事実は動かない。

 栗山監督

 西武はもうずっと勝つと思っている。自分たちが残り試合をいくつ取れるのかだけ。これまでやってきた集大成を出せるように。

 泣いても笑っても、残り8戦しかない。このドローの価値は、シーズンが終わってから判断すればいい。【本間翼】