巨人包囲網突破だ。原辰徳監督(54)が17日、都内のホテルで行われたスタッフミーティングで、連覇のために、まず手がけたのは意識の改革だった。

 原監督

 過去2度の日本一の後は、横一線、新たなスタートだと、選手に伝えてきた。でも2013年はこの考えを一変させようと思う。去年、我々はギリギリで勝った感覚だが、周囲は巨人には完敗したと思っていると思う。研究され、マークされている。これは横一線とは言えない。全チームが「打倒巨人」で来ることを意識して戦っていこう。

 連覇の難しさは歴史が証明している。巨人はV9以来。プロ野球でも黄金時代の西武以降、成し遂げた者はいない。

 そのために徹底することがある。第1は実力至上主義。「例えば、WBCで4人の野手が抜けたからといって、4人補充するとか単純なものではない」と岡崎2軍監督。ベテランも若手も関係なく、力ある者だけを昇格させる。第2は、リスクマネジメントだ。9人のWBC選手が抜ける分、ほとんどの選手にチャンスが訪れる。「WBC組に万が一のアクシデントがあっても対応できるようになってたらいい」と川相ヘッドコーチ。アピール機会を与えることで、能力の開花を促す。

 さらにはWBC選手の帰国後のメンタルケアにも心を配るなど、5冠後のシーズンとはいえ隙がない。各チームがどう戦い方を変えてくるのか、しっかり見極めて対応する。その構えは、横綱のスタイルでも、巨人に慢心や過信はない。【竹内智信】