岸田、平野佳級や!

 リリーフに転向した阪神松田遼馬投手(18)が、オリックスからFA加入した日高剛捕手(35)をビビらせた。27日、沖縄先乗り合同自主トレで、初めてベテラン捕手相手にブルペン入り。「岸田、平野に匹敵するくらいの真っすぐ」と絶賛された。オリックスの抑え、セットアッパーに匹敵する球威で、虎の中継ぎエースに上り詰める。

 18歳の松田がブルペンに向かうと、17歳年上の日高が笑みをたたえて待ち受けた。肩を作るキャッチボールを1球、2球。日高から思わず声がこぼれた。「こりゃいいぜ」。力を入れず、軽めに投げたわずか2球でベテランの心をつかんだ。

 準備が整い日高を座らせると、ここから全開だ。直球を中心にカーブ、フォークを交えて23球。ズシリと重たい捕球音を響かせた。キャンプインに向け、順調に仕上げてきた右腕を存分に振るい「鳴尾浜でも投げてきているので、いい感じで仕上がってきました。このままの状態でいければ」と汗をぬぐった。

 有り余る若さをぶつけられた日高は、「新聞であれだけ『遼馬、遼馬』と書かれて、いいとは聞いていたけど本当に良かったですね。真っすぐの質がすばらしかった。岸田、平野に匹敵するくらいの真っすぐじゃないですか」と絶賛。引き合いに出したのは、古巣オリックスで「勝利の方程式」を結成したリリーフコンビだった。

 平野佳は11年に43ホールドで最優秀中継ぎ投手に輝き、今季も馬原とともに新方程式の一角を期待されている。岸田は今季先発に挑戦するが、10年途中から守護神として投げ、11年には33セーブを挙げ球宴にも出場した。幾多の名投手を受けてきた日高をうならせ、リリーフとしての可能性を思い描かせた。さらに、「真っすぐは1軍でも十分いける。どんどん自信を持って投げてくれたら」とお墨付きももらった。

 昨秋から中継ぎに転向し、グングンと成長を続ける若き新星は「いろんな言葉をかけてもらって、投げやすかったですし、うれしかったです」と目を輝かせた。「初めてなので緊張しますけど、しっかりアピールしたい」という大抜てきの1軍キャンプで結果を出し、中継ぎ争いを勝ち上がる。【山本大地】