<ヤクルト3-6DeNA>◇6日◇神宮

 外国人選手初の2000安打を達成したDeNAアレックス・ラミレス外野手(38)は、どんな打者なのか。過去100打席以上で対戦し、昨年から同僚になったDeNA三浦大輔投手(39)に聞いた。

 対戦成績は101打数18安打、打率1割7分8厘。三浦の圧勝だが「そんなに抑えているイメージはない」と言う。理由の1つが、5本の本塁打。勝負どころで手痛い1発を打たれた。「いつも勝負は読み合い。配球を読んできて、ランナーや点差とか、状況に応じて打球方向も考えていた。今までにいない外国人選手だと思う」。

 強く記憶に残っるのは08年9月17日、巨人時代のラミレスに打たれた1発だ。0-2で迎えた3回2死走者なしで、カットボールを右翼席に運ばれた。「1発を狙ってくる場面。直球狙いと感じて裏をかいたら、ドーンと」。パワーで持っていかれた外国人選手は多々いるが、配球の読み合いで負けたことが衝撃だったという。

 今季初先発した3月30日の中日戦。ラミレスは3回2死満塁から中前に2点適時打を放ち、初勝利を援護してくれた。「長打だけじゃなく、右打ちしたり、センター返ししたり。味方になってよかった」。状況に応じた打撃ができる。しかもデータに裏打ちされた読みで狙いを絞り、ミスショットは少ない。2000本目は、それを象徴するような一打。ラミレスは「石川の一番いい球は内角球。フルカウントとなって自信のある球でくる」と読んでいた。

 試合前のルーティンワークを間近で見ている三浦は言う。「ああいう積み重ねが、長く活躍できる理由なんだろうな」。今季22年目、40歳となる三浦の言葉に誇張はない。【佐竹実】