<DeNA4-3中日>◇21日◇横浜

 DeNAトニ・ブランコ内野手(32)が両リーグ一番乗りで10本塁打を放った。20試合目での到達は、飛ばない統一球が導入された11年以降では最速だ。シーズンだと72発ペースの量産ぶりに「今のいい調子を維持できれば、もっと成績が上がると思う。これからどんどん増やしたい」と自信たっぷりに話した。

 手がつけられないとは、このことだ。4回、左翼席中段に軽々とソロを運んだ。来日初の4試合連発に「インコースの甘い球に体が反応した。特に狙って打ったわけではない」という絶好調ぶり。打点とともにリーグ2冠のバットは、古巣相手だとさらに威力を増す。中日戦は今季6試合で4試合連発、打率4割、10打点とまったく容赦しない。

 恐怖感を植えつけた。一打サヨナラの危険性が高い9回以降は、当然のように敬遠された。一塁が空いていた9回1死二塁はまだしも、延長11回は2死走者なしの場面で歩かされ「調子がいいので勝負にこないだろうと思ったけど、(走者なしでは)初めて」と驚いた。弱点を知っているはずの中日でさえ、お手上げ状態だ。

 カード初戦でサヨナラ3ランを放って勢いづいたチームは今季初の3連勝で借金を完済した。中畑監督は「昨年まで敵として戦ってたからね。味方でよかった。これほど頼もしいものはない。昨年とは違う3連勝だと思う。夢見心地です」と上機嫌に話した。決定力を欠いた打線に、絶対的な4番がいる今年のDeNAは、ひと味違う。【柴田猛夫】

 ▼ブランコがチーム20試合目で両リーグ10号一番乗り。11、12年はバレンティン(ヤクルト)がチーム23、28試合目に最速到達。ブランコは統一球導入後の最速到達となる。DeNAでセ・リーグ10号一番乗りは94年のブラッグス(38試合)以来19年ぶりで、両リーグ一番乗りとなると77年田代(16試合)以来36年ぶり。過去最速は78年ギャレット(広島)のチーム13試合目。