<日本ハム7-9ソフトバンク>◇4日◇東京ドーム

 無情のアーチが、右翼へ架かった。プレーボールから5時間半を超え、すべての奮闘は、無になった。延長12回1死一、二塁。日本ハム鍵谷が、ソフトバンク中村に決勝弾を浴びた。パ・リーグ史上最長6時間1分の総力戦に敗れた栗山英樹監督(52)は「どうしても取らないといけないゲームを取られたということ。リードした時点で…、あそこで勝てないのはオレの責任」と振り返った。

 4回には、大野、大引の適時打など、打者一巡の猛攻で6点を奪った。四球と犠飛を絡め、各打者のつなぎの意識が、形となって表れた。同監督が「今、勝つためにどういうメンバーがいいのか選んだ」と、二岡、ホフパワー、左右の代打の切り札を2軍に降格させて臨んだ一戦。明るい兆しが、見えかけていた。

 だが5回以降は8イニングで6安打1得点。明日6日の楽天戦(Kスタ宮城)の登板を控え、投手準備のためにスタメンから外した大谷を、最終12回に代打で投入するも、追い上げは実らなかった。

 下位に沈むチームにとって、落とせるゲームはひとつもない。今日5日も敗れれば、自力でのクライマックスシリーズ進出の可能性が消滅する。1敗の重みは全員が理解している。日付が変わった東京ドームの関係者通路。大きなダメージと疲労を背に、沈黙の隊列が、隣接する宿舎へと続いていた。