<巨人1-9DeNA>◇29日◇京セラドーム大阪

 文句なしのゲーム運びだった。DeNAが16安打9得点と打線が爆発し、巨人に快勝した。27個目のアウトを取ると、ナインは二塁ベース上で輪になり勝利を喜んだ。中畑清監督(60)も両手を上げて大はしゃぎし、ファンの声援に手を振った。「今までにない勝ち方だった。攻撃が良くつながった。かっこいい野球。強いチームに感じるね」と上機嫌だった。

 打線がつながった。初回2死三塁から、巨人沢村の暴投で労せず先制点を奪うと、2回に荒波が2点適時打。3回には筒香、バルディリスの適時二塁打で得点を重ねた。5回までに先発全員安打の7得点と巨人を完璧に黙らせた。

 昨季5勝18敗1分けとめっぽう弱かった相手に、早くも今季4勝目だ。投打ともかみ合うが、特に3試合連続の2ケタ安打と好調な打線の「イケイケ作戦」がはまっている。この日も「ファーストストライクからいけ」と中畑監督が指示。ナインも忠実に実践し、「相手が嫌がる点の取り方ができた。巨人相手にできたのは大きい」と目を細めた。これで中畑政権では初の巨人戦3連勝。首位とのゲーム差も1ケタに戻した。

 今季は巨人相手にカード初の勝ち越し、完封勝ちと初モノ続き。今季5度目の4連勝で借金も5月11日以来の7に減らした。7月の月間勝ち越しも決まり、中畑監督は「出来すぎ。怖いぐらいだよ。明日からの試合が怖い。立ち上がりが大事になってくる」。今日30日のゲームで勝利すれば、中畑監督が目指す巨人に「勝率五分」が実現する。この勢いなら、初のCS進出も夢じゃない。【細江純平】

 ▼DeNAが5月8日、7月9日に次いで巨人戦3連勝。巨人戦3連勝は横浜時代の11年9月29日、10月4、5日以来3年ぶり。久保はこれで巨人戦3連勝。DeNAの投手では07年工藤以来7年ぶり。DeNAは今日30日に勝利すると、巨人戦で3カード連続勝ち越し。達成すると開幕から5カード連続で勝ち越した05年以来となる。

 ▼DeNAは今季2度目、巨人戦では06年6月28日以来となる先発全員の16安打。27日ヤクルト戦では17安打しており、2試合連続16安打以上は、優勝した98年の9月13、15日以来16年ぶり。