<日本ハム5-2ソフトバンク>◇1日◇札幌ドーム

 ありったけの思いを、ぶつけた。背信が続いていた日本ハム吉川光夫投手(26)が粘投し、復調の兆しをつかんだ。6回5安打2失点。7回のマウンドには上がったが、左手人さし指から前腕部にかけてつり、やむなく降板。最後はアクシデントでマウンドを譲る形になったが成果は残した。「ゲームを壊さなかったのが1番」。5月7日ソフトバンク戦以来の1軍登板。不振から光を見いだした。

 日に焼けたほおから何度も汗がしたたり落ちた。立ち上がりから6回をのぞき毎回四球の苦しい展開。4回を投げ終えベンチ右奥の端の定位置に、栗山監督が待ちかまえていた。「必死に投げろ。結果じゃない」と投げかけられスイッチが入った。5回以降は吹っ切れた。時折、笑顔も見せた。「自分の中の負担を取って、余裕を持って出来た」。白星はならなかったが、次へつながる姿を残した。