<中日1-8DeNA>◇27日◇ナゴヤドーム

 いよいよ勢いに乗ってきた!?

 投打のかみ合ったDeNAが中日に快勝。先発山口俊投手(27)が8回1失点の好投を見せ、打線はアーロム・バルディリス内野手(31)の先制打などで8得点。4カードぶりの勝ち越しを決め、100試合以上消化時点では07年以来、7年ぶりの単独4位に浮上した。逆転でのクライマックスシリーズ(CS)進出も見えてきた?

 2連勝での4位浮上にも、中畑清監督(60)は大はしゃぎしなかった。「4位?

 全然。その上を目標にしている。明日、ころっと(流れが)変わることがあるのが野球だから」と、浮かれることなく引き締めた。

 確かな手応えはある。1回。無死一、二塁でグリエル、ブランコが凡退。嫌な空気が漂いかけたが、続くバルディリスが2点二塁打で振り払った。2回には3年目桑原が左前へ2点適時打。前夜はグリエル、ブランコと主軸が大勝への流れを呼び込んだだけに、「今日は点を挙げる選手の顔が違う。その辺りが、いい形での得点の取り方になってるね」と、うなずいた。

 これこそ求めていた勢いだった。春季キャンプ直前の1月下旬。中畑監督は今季の戦力補強に手応えを感じながらも、1つの懸念を口にした。「上位で戦う上でのメンタルを監督としても、チームとしても経験していない。それが不安だね」。監督2年でAクラスなし。チームも長く上位争いから遠ざかる。必ず訪れると確信していた勝負どころでの精神面を気にかけた。

 しかし、それを打破する特効薬も知っていた。「ヒーローが出てきて勝つこと。日替わりで出てくれれば、最高。それが不安をのみ込む勢いを生むんだよ」。1人の選手に頼らないから、一過性でない勢いが生まれる。この日のバルディリス、桑原は、願っていた日替わりヒーローだった。

 26日から、出てきたおなかを気にかけて夕食で炭水化物を取るのをやめた。そのせいか?

 会見中、突然「腹が減ってんだよ!」と張り上げた。白米は我慢しても白星はまだまだ食い足りない。「ワンランク上に行けるか。3つ目を何とかものにして、弾みをつけたい」。今季見せるのは、もう進化ではない。3連勝で3年目の真価を示す。【佐竹実】

 ▼DeNAが今季50勝目を挙げて4位に浮上。100試合以上を消化して4位は昨年9月にあるが、昨年は中日と同率4位。単独4位となると、全日程終了して4位だった07年以来。108試合目での50勝到達も07年(100試合目)以来のスピードになる。DeNAの月別成績を見ると、負け越したのは6勝17敗だった4月だけ。5月からは月間勝率5割以上を記録し、5月以降は通算43勝38敗2分け、勝率5割3分1厘。セ・リーグで5月以降の成績が勝ち越しているのは巨人とDeNAだけだ。