虎燃ゆ!

 大賀のドラマが幕開けだ。阪神ドラフト3位江越大賀外野手(21=駒大)が5日、長崎・島原市内の島原市営球場で自主トレを公開。同市出身の4年目右腕松田遼馬投手(20)と早くもタッグを組み、ともに汗を流した。かつて西鉄がキャンプを張ったグラウンドで練習した2人は、そろって甲子園のお立ち台に上がることを誓い合った。

 グラウンド横にそびえ立つ仏像まで続く階段を、江越は何度も駆け上がった。松田から「一緒に(お立ち台に)上がりたい。方言とかしゃべったりしたいです」とラブコールを受けると、ルーキーは照れくさそうに「そうなればいいですね」と笑顔。満員の甲子園で「頑張っとけん、応援してくれんね」と2人で声をそろえる姿を思い浮かべた。

 島原半島コンビで夢のお立ち台を目指す。中学2年秋、島原市営球場で行われた島原半島軟式野球大会決勝で、中学1年の松田と対戦。投手を務めた江越は松田に1本も安打を許さず、1試合で15奪三振。優勝に輝いた過去もある。同じ半島で育った2人が、同じタテジマを着る縁で再びつながった。江越が打ち、遼馬が抑える。そして2人そろってお立ち台に-。共闘の誓いを交わした。

 この日、自主トレを行ったのは、かつて西鉄がキャンプで使用した球場。「石碑があるので知っています。(キャンプを)やっていたというのは聞いていました」と、江越は感慨深げだった。「野武士軍団」と呼ばれた1人に中西太氏(日刊スポーツ評論家)がいる。トリプルスリー(打率3割、30本塁打、30盗塁)を目標に掲げる江越は「そんな選手になりたい」と即答。怪童が血と汗を流した地からプロの第1歩を踏みしめ、レジェンド級の活躍を夢見た。

 中西の推定飛距離は160メートルを超えていたとも言われている。江越もパンチ力には自信がある。長崎海星時代には3年春にプロでも使用する長崎ビッグNスタジアムで、130メートルを超える場外弾を放った。駒大1年春に神宮デビュー本塁打をバックスクリーンに放り込み、先輩たちを驚かせた。このオフは打撃練習を行える場所がなかったため、時間を見つけては素振りを継続。キャンプからアピールできるよう仕上げていく。

 島原城を背に夢を語り合うと、江越はキリッと表情を引き締めた。「でもまずは1軍に上がれるように頑張っていきたい」。大賀の壮大なドラマが、今始まった。【宮崎えり子】

 ◆江越大賀(えごし・たいが)1993年(平5)3月12日、長崎県南島原市生まれ。長崎海星では投手兼外野手。3年夏は県大会決勝で敗退。高校通算26本塁打。駒大では1年春から東都大学リーグに出場。大学通算11本塁打。13年に日本代表として日米大学野球選手権に出場。50メートル5秒8、遠投120メートル。182センチ、83キロ。右投げ右打ち。名前の大賀は「大は土台のしっかりした人間に。賀はみんなに祝ってもらえるように」と命名された。