広島ドラフト1位の野間峻祥外野手(22=中部学院大)が、おとこ気寄贈していたことが6日、明らかになった。卒業間近の同大学に約500万円をかけたブルペンの屋根を寄贈していた。10日に予定される紅白戦初戦では、緒方監督が「1番右翼」での先発起用プランを明言。期待高まるドラフト1位は、プロでの活躍を本当の恩返しにする。

 プロへと送り出してくれた母校へ、野間は感謝を忘れていなかった。金額がすべてではない。だが気持ちが大きい分、惜しむことはしなかった。中部学院大のブルペンに約500万円相当の屋根を寄贈していたことが分かった。野間は恥ずかしそうに明かした。

 「無名選手だった自分がプロに入るまでになれた。監督や関係者にはお世話になったので。少しだけですけど。恩返しです」

 テストのため一時母校に戻った1月末には「使用開始式」にも出席。始球式を務めた副学長の球に空振りで応えた。学校関係者は「本当にありがたいことです。屋根がついたことで雨天での練習も幅が広がります。現役選手の励みにもなります。応援しています」と感謝の言葉を並べた。

 プロでの成功が、さらなる恩返しにつながる。野間は「プレーで活躍する姿を見せないといけないと思います」と続けた。第1クールで評価は急上昇。リストの強い打撃と強肩、俊足でアピールに成功した。今日7日からの第2クールでは実戦形式の練習が始まる。「気合を入れて頑張ります」と燃えている。

 闘志にあふれる野間のデビューは「1番右翼」になる可能性が高まった。10日、11日に予定されている紅白戦だ。緒方監督が「打席に多く立たせたい。他の選手も含めて(適性を)多く試したい。中堅をやってきた選手だし守備に慣れてほしいのもある。連係やカバーの確認も」と明かした。

 キャンプ初めての休日となったこの日は、ドラフト6位の飯田とともに宮崎・日南の飫肥城跡を訪れ、矢を放つ「四半的」や「人力車」を体験。歴史に触れ「落ち着きました」とリフレッシュした。「1番右翼」から自分史を切り開き、本当の恩返しへ。野間の戦いは続く。【池本泰尚】