中日がドラフト2位指名したPL学園・吉川大幾内野手(18)は荒木超えを目指す。25日に大阪市内のホテルで契約金6500万円、年俸720万円で仮契約を結んだ。

 自慢は打撃や守備だけではない。3拍子そろった将来の遊撃候補として期待を背負う大器は、盗塁の話題に「相手投手のくせを盗むのは試合でもよくやってきましたから」と目の色を変えた。

 50メートルは6秒0。高校時代の盗塁失敗は「記憶にあるのは2回だけ」と胸を張る。2年春のセンバツでも2試合で2盗塁、2本の三塁打と結果を残してきた。盗塁王のタイトルにも「はい。足は生かしたい」ときっぱり言い切った。打順も1番を熱望し、まさに荒木がライバルとなる。07年に盗塁王を獲得するなど、中日の不動のリードオフマンとして活躍してきた荒木の壁を越えるのは容易ではないが「1軍でずっと出ている人。技術は盗んでいきたい」と、ゆくゆくはレギュラーを奪ってみせる決意だ。

 中田宗男スカウト部長も「高校時代の荒木と比べて脚力も秀でている。10年以上やっていける、スケールの大きな選手になれるし、タイトルもとれる」と太鼓判を押す。期待の18歳は「すごい楽しみです」と野望を胸に、ドラゴンズのユニホームに袖を通す。【福岡吉央】