中日がドラフト1位候補の最有力に亜大・山崎康晃(4年=帝京)早大・有原航平(4年=広陵)の大学生2投手を挙げていることが10日、分かった。名古屋市内の球団事務所でスカウト会議を行い、大学生の即戦力投手を1位に指名することを確認した。全体の指名は7~8人の予定で、高校生抜きの“超即戦力ドラフト”を計画していることも判明した。

 将来性ではなく即戦力-。中日のドラフト戦略は明確だった。28年ぶりの2年連続Bクラスからのチーム立て直しを図るためには、即戦力投手の獲得が最優先事項。今季始めてスカウト会議に参加した谷繁兼任監督や、シーズンを通じてアマ球界を視察して回った落合GMも同じ考えだった。そこで1位の有力候補に挙がったのは亜大・山崎と早大・有原の2投手だった。

 山崎は大学3年、4年と2年連続で大学日本代表に選ばれた東都リーグを代表する右腕。最速151キロのキレある直球と制球力が魅力で、中継ぎとしての経験も豊富だ。春先から落合GMも足しげく球場に通い状態をチェックしてきた。左腕不足の声もあるが同GMは「右左より力のある方」と話している。

 有原は、この日広島が1位指名を公表するなど、他球団と競合必至の大型右腕。最速156キロの剛球に多彩な変化球も操る投球は実戦向きで、今年のドラフトの超目玉だ。ただ、秋のリーグ戦序盤で右肘の不安と不調から登板を回避するなど不透明な部分もあり、スカウト陣は今後もギリギリまで状態を見極める考えだ。

 大胆な指名プランも持ち上がった。高校生抜きの指名だ。今オフは引退選手、外国人を含めて14人が中日のユニホームを脱いだ。戦力を維持するためには投手だけではなく各ポジションで即戦力を必要だ。落合GMは監督就任の1年目、04年ドラフトで大学、社会人のみ11人を指名。もし実現すれば、それ以来の“超即戦力ドラフト”になる。

 この日は地元の逸材である中部学院大・野間峻祥外野手(4年=村野工)を野手の最上位にリストアップ。地元出身で、谷繁兼任監督の後継としての期待がかかる青学大・加藤匠馬捕手(4年=三重)や東都リーグの強打者として知られる駒大・江越大賀外野手(4年=海星)も上位候補に名を連ねた。巻き返しへ。ドラフトが逆襲への1歩になる。

 ◆山崎康晃(やまさき・やすあき)1992年(平4)10月2日、東京・荒川区生まれ。小1で野球を始め、尾久八幡中では西日暮里グライティーズ。帝京2年夏、3年春に甲子園。亜大で1年春から東都大学リーグに登板。177センチ、84キロ。右投げ右打ち。

 ◆有原航平(ありはら・こうへい)1992年(平4)8月11日、広島県生まれ。広陵では2年春からベンチ入り。3年時には春夏連続で甲子園に出場。早大では2年春、全日本選手権優勝に貢献。4年春までに58試合18勝11敗。187センチ、90キロ。右投げ右打ち。