血が騒ぐとは、まさにこのことだろう。インターネット動画サイト「ニコニコ動画」と連動した大相撲超会議場所(4月25~26日、千葉・幕張メッセ)の初日、引退した力士によるOB戦が開催された。
出場したのは鳴戸親方(元大関琴欧洲)二子山親方(元大関雅山)振分親方(元小結高見盛)不知火親方(元小結若荒雄)。4人とも、まわしを締める段階からワクワクドキドキの表情で、元勝負師らしさをのぞかせていた。その中で現役を離れてからの月日が最も長いのが振分親方だったが、やる気は満々。土俵上では、左右のつま先でトントンと土俵をたたく行動や、両腕で思い切り胸をたたく“ロボコップ”動作など、現役時代と同じルーティンで気合を入れた。
だが、相撲はわずか数秒で、不知火親方に押し出されて敗退。「右を差そうと思った。差せなくても残してから、攻撃しようと思った。だけど、体が動いてくれなかった。悔しい」。体の衰えを実感し、取組前から気合十分だっただけに、落胆も大きかった。
それでも、かつての人気力士が、久々に勝負に挑む姿は、ファンにとってはたまらないものだ。本人にとっても、刺激になるし、体を動かすことで健康面のプラスにもなるはず。振分親方は「OB戦のために体を動かしていた」と話し、鳴戸親方に敗れた二子山親方もOB戦前に小野川親方(元前頭武州山)に胸を出してもらって、ぶつかり稽古していたことを明かし「そこまで体もしぼんでなかったから、良かったよ」と、充実した笑みをこぼしていた。
親方がケガをしたら大変だが、体に支障がない限り、こうしたOB戦企画はファンのニーズも高いはず。かつてのライバル同士が、再び土俵上で対決することになれば、大いに注目もされるだろう。元気な親方や、裸になっても恥ずかしくないような体をキープしている親方は、まだまだいる。秋も冬も増える予定の各地巡業でも、魅力的なOB戦をやってもらいたいものだ。【木村有三】

