正念場の稀勢の里を後押ししようと、母校の茨城・松葉小で担任だった鶴巻幸子先生ら12人が、国技館へ応援に駆けつけた。

 松葉小では大関昇進の5年前から、教員による応援団「相撲クラブ」が発足した。「(本名の)萩原時代から応援に来ている」と話す団長の油原久美子先生(58)は校内放送でテレビ観戦を呼びかけたり、星取表と新聞記事を張った掲示板を設けるなど「稀勢の里情報」を提供する。4年前からは全校児童が参加する応援集会も開催。「がんばれ稀勢の里関」の横断幕を全児童、職員で掲げた写真を大関に贈ったりもした。

 だから、地域の子どもたちは好角家も顔負けの一家言を持つ。稀勢の里が所属した少年野球チーム「龍ケ崎ハリケーンズ」の長山小4年生の青山和叶(かずと)君(9)は前日の白鵬戦を見て「行司の草履が邪魔だったと思いました」と大人顔負けのコメント。チーム仲間で写真を撮る際には全員が張り手のポーズを取った。その理由は「エールを送りたかった」。

 白鵬の優勝が決まり、横綱昇進は遠のいた。しかし「明日は勝って次につなげて欲しい」と油原先生。大関の地元は、温かく見守っている。【秋吉裕介】