日本人最速5戦目で世界王座奪取に成功したボクシングのWBO世界ミニマム級新王者・田中恒成(19=畑中)が激闘から一夜明けた5月31日、愛知・春日井市の「ガーデン・カフェ和さび」で会見した。試合の入場曲「I was born to love you」(クイーン)が流れる中、やや右目が腫れた姿で現れた田中は「まだ実感がない。このまま実感ないのかな、と思います」と笑顔で話した。

 95年6月にジム開設して初めて世界王者を育てた元WBC世界スーパーバンタム級王者の畑中清詞会長(48)は「21年前にジムを興すとき、世界王者を出すのが目標だった。達成できて良かった」と、あらためて喜びに浸った。

 会場には、中京高時代の恩師で元東洋太平洋スーパーフライ級王者・石原英康氏(39)も訪れて、教え子を祝福。前日の世界戦では、同氏が04年の世界初挑戦時に使用したリングシューズを履いて戦った田中は「これは石原先生に返すんじゃなくて、新しいプレゼントとして石原先生に保管してもらいたい」と、思い出の品を恩師に手渡した。

 田中は現在、中京大経済学部2年生。「6月半ばくらいから行きたい」と、しばらく休養した後で学生生活も再開する予定だ。