同級2位荒川仁人(35=ワタナベ)が新王者となった。同級13位アンソニー・サバルデ(24=フィリピン)に苦戦したが、終盤攻勢で10回には再三の左ストレートでダウン寸前まで追い込んだ。最後まで倒しきれなかったが、2~4ポイント差の3-0判定勝ち。日本ボクシングコミッションは未公認タイトルながら、WBOで再び世界ランク入りが確実になった。

 相手の右フック、右アッパーに序盤は押され気味だった。徐々に右ジャブ、左ボディーを効かしたが、なかなか捕まえられない。8回にはバランスを崩してヒヤリの場面もあったが、終盤の9回からは攻勢に転じる。10回に左ストレートが何発もクリーンヒット。最後はダウン寸前に追い込むもゴング。残り3回も攻め込み、ダウンも奪えなかったが勝利を収めた。

 前半苦戦したが「ボディーワーク、ガードの防御や真っすぐなパンチと練習したことができた。動揺することなく、自分を見失わずに戦えた」と満足感を口にした。最後は倒せずに「至らないところ。今の実力」と反省も忘れず。36戦で13度目のタイトル戦となり、獲得した4本目のベルト。ジムにとって今年最初のタイトル戦でもあった。「最高齢でバトンをつなげられた。目指すのはてっぺんだが積み重ねてきて今がある。誰が相手でも1試合ずつ積み上げていく」と冷静に話した。