元王者山中慎介(35=帝拳)が前日計量の大幅な体重超過で王座を剥奪された前王者ルイス・ネリ(23=メキシコ)と、因縁の再戦に臨んだが2回TKO負け。2回までに4度のダウンを奪われ、昨年8月にV13を阻まれた雪辱を果たせなかった。試合後に「これで終わりにします」と述べ、神の左と称された左拳を武器に5年9カ月にわたり世界王者であり続けたボクサー人生に終わりを告げた。

 山中の妻、沙也乃さん(32)は困惑した。2人の子どもとリングサイドで敗北を見届けて「どういう感情をもっていけばいいのか、分からない。同じスタート(体重)じゃないので。相手の(試合への)挑み方を見ると主人の努力は何だったんだろう」と不思議そうに言った。前夜は電話で会話をして「主人は『勝つしかないね』と言っていた。正々堂々と明らかに負けとかなら…。受け入れるしかないですが」と戸惑っていた。