東洋太平洋ミドル級王者佐藤幸治(28=帝拳)が、「米国ケンカ合宿」で難関突破に挑む。16日、都内で4月25日にドイツ・クレーフェルトでWBA同級王者フェリックス・シュトルム(30=ドイツ)に挑戦することを発表した。欧米人の平均体重に近いリミット72・57キロのミドル級は、選手層が厚く、レベルも高い。その壁を乗り越えるため、佐藤は17日に米ラスベガス合宿に出発。総合的な技術向上を狙ったこれまでとは違い、本場の世界ランカーたちを相手に、毎日スパーリングだけの練習に徹する。自身初の12回通しスパーも行い、実戦での勝負勘を磨き抜く。

 ミドル級は95年にWBA王座を奪取した竹原慎二が唯一の日本人世界王者。過去に挑戦した日本人も2人しかいない。それでもアマ時代に全日本5連覇の実績を誇る佐藤は「ほかの選手より運がある。歴史的な瞬間になります」。将来は国会議員になるのが夢で「ここで有名になって夢を実現させたい」と話した。