WBC世界フライ級22位・升田貴久(30=三迫)が、暫定王座を足掛かりにスターダムへのし上がる。28日にタイ・チェンマイで同級暫定王者ポンサクレック(タイ)に挑戦するため、26日に成田空港を出発した。25日には、正規王者内藤大助(宮田)―WBA同級1位亀田興毅(亀田)戦が決定。「盛り上がるだけ盛り上がって欲しい」と歓迎した。

 内藤-興毅戦に比べると、暫定戦の注目度は低い。だが暫定王座を取れば、次は王座統一戦が義務づけられている。内藤、興毅のどちらと戦っても、知名度と名声を得るチャンスになる。「暫定っていうの(肩書)を取りたいですからね」と早くも王座統一戦も見据えている。

 妻由美子さん(31)長男天珠(てんじゅ)君(7)との3人暮らし。収入源は東京・上野のうどん店での時給1000円のバイトだけ。「ボクシングだけで生活していきたい。ここで人生を変えたい」。現地へ行けない家族のためにも、升田はスターへの挑戦権を手に凱旋(がいせん)する決意だ。