K-1ヘビー級王者の京太郎(23=チームドラゴン)が、引退した武蔵から「日本人エース」の看板を継承し、“ミスター・K-1”を迎撃する。3日、WORLD

 GP横浜大会(横浜アリーナ)で過去3度のGP制覇を誇るピーター・アーツ(39=オランダ)との初防衛戦に臨む。試合は武蔵の引退セレモニー直後に決定。2日に都内での前日会見に出席した京太郎は「引退セレモニーの流れに乗って勝つ」と、武蔵に代わって日本を背負う姿勢でタイトルを死守する構えだ。

 初防衛戦を控えた京太郎が前日会見に新ヘアで登場した。三つ編みにした髪を後頭部に残し、それ以外は丸刈りスタイルで報道陣を驚かせた。対戦するアーツをも「ヘアスタイルは自由だが…」とあぜんとさせたが、ヘビー級王者は真剣そのもの。「カットしたのは2日前。今までいろいろなヘアにしてきたが、迷いに迷って何も(髪が)なくなった。気合でやりました」と、自らを追い込むように宣言した。

 気合を入れる大きな理由がある。GP2度準優勝など日本の砦(とりで)となってきた武蔵の引退セレモニーの直後に防衛戦が組まれた。武蔵はアーツにただ1人勝利を挙げた日本人。先月には武蔵からアーツ対策も直接伝授された。谷川イベントプロデューサー(EP)によれば、武蔵が京太郎のセコンドに入る可能性が高いという。武蔵から京太郎へ、日本人エースの称号を継承する大一番がアーツ戦となる。

 京太郎

 引退セレモニーの盛り上がりにボクは乗って勝つ。(武蔵への)思い入れは強いし、それが会場を沸かせることになる。自分が小さいころから第一線でやっているし、ボクがK-1に出てさらにすごさが分かった。指導も受けて「気持ち」を感じました。

 前日計量(リミット100キロ)では京太郎が99・5キロに対し、アーツが97キロまで減量してきた。敵はベスト107・8キロから10・8キロも落とした。アーツは「思っていたより減量結果が違っただけ。この分だと(K-1)MAXまでいける」と冗談ではぐらかしたが、あえて京太郎は警戒する。「3キロアンダーは何か作戦があるのでしょう。でも自分が100%の力を出せればいい。勝敗はボク自身の問題で決まる」と集中した。若きヘビー級王者が武蔵の目前で日本人エースの継承を証明する。【藤中栄二】