K-1ファイターのHIROYA(19=TRY

 HARD

 GYM)が、総合格闘技に進出することが10日、分かった。13日に行われる新日本キックボクシングの興行「MAGNUM25」(後楽園ホール)後から、従来の立ち技を継続強化しながら、タックルや関節技など総合格闘技の練習を開始。今夏には海外武者修行も検討しており、目標のKー1王者にとどまらない「最強格闘家」へのステップを踏むつもりだ。

 「魔裟斗の後継者」という呼び声に、甘んじるわけにはいかない。HIROYAは今季初戦を前に、自分自身へ新たなハードルを設定した。昨夏に設立し自ら経営する神奈川・相模原市内のジムでの調整後に「今年は再デビューのつもりでやります。今回の試合が終わったら、総合格闘技にも取り組みます。いろんなところを見て、自分自身のあるべき形を考えたい」と新境地に踏み出す覚悟を明かした。

 15歳でK-1の舞台に立ち、08年8月には18歳以下の最強を決めるK-1甲子園を制覇した。魔裟斗引退後のスター候補として周囲の期待と注目度が高まる中、HIROYAは「プレッシャーもあったし、どこか守りに入っていたところがあった」という。07年からタイの高校に単身で留学して刺激を受けた。世界各国の留学生らとムエタイで対戦を重ね「本物の実力をつけたい。世界にはいろんなタイプの強い選手がいる。もっと戦ってみたい」と感じた。昨年6月、高校卒業とともに帰国してからも、思いは変わらなかった。

 13日に出場する新日本キックボクシングの興行は、HIROYAにとって初めてK-1以外のリングとなる。63・5キロ契約で日本ライト級7位トーマス中村(市原)との対戦で実戦感覚をつかみ、今夏には総合格闘技進出を想定して海外へ武者修行に出る予定。従来の打撃力に磨きをかけながら、新人の総合格闘家としてさまざまなスタイルの相手から駆け引きや間合い、攻守の総合力を学べば、目標のK-1王者にも近づく。「欧州や米国のUFCだったり、どの舞台でも出場できる選手になりたい」。大志を抱き、新たな1歩を踏み出す。【山下健二郎】