7日のIBF世界ミニマム級タイトルマッチ(大阪ボディーメーカーコロシアム)の前日計量と調印式が6日、大阪市内のホテルで行われた。

 初の世界戦に緊張感を漂わせていた、挑戦者の同級10位・小野心(31=ワタナベ)は、計量をクリアするとようやく表情をゆるめた。相手は10度目の世界戦となる高山勝成(30=仲里)。「経験は向こうが上。でも自分にもやってきた自負がある。最高のコンディションで、最高の結果を出せると思う」と言葉に力を込めた。

 デビューから13年、苦労の末につかみ取ったチャンスだ。現在も東京・港区のカレーうどん店「千吉」で週5回のアルバイト。月の収入は約11万円。家賃5万5000円のマンションに住み、自炊で節約し、夢を追いかけてきた。「世界王者になって、防衛を続けてお金を稼ぎたい。ロードワーク中に豪邸を見ては、いつかこんな家に住んでやると思ってやってきた」と拳を握る。

 勝利すれば日本では史上4ジム目となる、3人同時世界王者誕生の快挙もかかる。「感謝している」と話す渡辺会長のためにも、会場に応援に駆けつけるWBAスーパーフェザー級王者内山、同スーパーフライ級王者河野に続く覚悟だ。

 派手な経歴はない。積み重ねてきた努力のみを信じ、小野が一世一代の大舞台に挑む。【奥山将志】

 ◆3人以上が同時に世界王者となったジム

 93年に鬼塚、勇利、ナザロフが王者となった協栄が1例目。帝拳は12年に西岡、粟生、山中で達成。その後、五十嵐も王者となり国内最多の4人同時となった。13年には亀田ジムが3兄弟同時世界王座獲得に成功した。また、大橋ジムは現在、八重樫、井上に女子王者の宮尾を加えると3人同時となる。