“照逸”が土俵をジャックした。大相撲の横綱審議委員会による稽古総見が29日、東京・両国国技館で約7000人の観衆の下で行われた。関脇照ノ富士(23=伊勢ケ浜)と小結逸ノ城(22=湊)はそれぞれ9分間も、横綱へのぶつかり稽古で土俵を占拠。ただ、稽古内容には明暗があった。

 照ノ富士は、大関稀勢の里を土俵外へ押し出すなど6勝3敗。「ここで勝たないとだめ。ここで良い稽古しないとだめ」という気迫にあふれ、北の湖理事長(元横綱)も「本人も物足りないんじゃないか」と時間の短さを残念がるほどだった。一方の逸ノ城は白鵬に9番胸を借りたが、1勝のみ。直後のぶつかり稽古では、スタミナ切れで砂まみれとなり「きつかった。体重が重たい」と嘆いた。

 言葉通り、体重の明暗が両者の差だった。前日の測定で照ノ富士は178キロ。「場所休みで増えたので、ダイエットで戻した。酒を我慢して食べ物も控えた。14日間で8キロ落ちた」。反対に207キロに増えた逸ノ城は「落とそうとしたら増える。逆にガンガン食べたらやせるっすかね」とやけになった。ただ、30分の長風呂で疲れを癒やして全力士最後の帰宅時、着物を羽織ると「なんか大きい。自分、縮んだかも」。稽古のありがたみが、広がった。