日本相撲協会の伊勢ケ浜審判部長(元横綱旭富士)が、9日目の逸ノ城戦で相手の顎をわしづかみにして振り払うダメ押し行為をした横綱白鵬の師匠である宮城野親方(元前頭竹葉山)に、口頭で直接注意したことを明かした。

 同部長は、宮城野親方がこの日、審判部を自主的に訪れたことを明かし「(宮城野親方は)『本人(白鵬)にきちんと言いました。本人も反省していた』と言っていた」と話した。同部長から、宮城野親方へは「今後こういうことのないように、きちんとしてください」などと、注意を促したという。

 その上で、同部長は白鵬のダメ押し行為について「ひと言で言えば良くないよね、やっぱり。横綱は全力士の見本なわけだから。相手を敬う相撲を取っていかないと。自分で自分の星にみそをつけるようなもん。勝ち星に対して、水を差している。自分で自分の勝ち星の印象を悪くしている。もったいない。相手がいて、勝っているわけだからね。相手を敬う気持ちを持って相撲をとらないとね」などと苦言を呈した。

 審判部が白鵬に直接注意する考えについては「場所中だから」と否定した。

 9日目の打ち出し後、藤島審判長(元大関武双山)は「見苦しいでしょう」と指摘し、これを報道陣から伝え聞いた白鵬は「まあ、気を付けます」と答えていた。