大相撲の横綱白鵬(31=宮城野)が5日、兄貴分に別れを告げた。東京・墨田区の友綱部屋で、夏場所(8日初日、両国国技館)前にした最後の出稽古。その締めに大島親方(元関脇旭天鵬)を指名し、胸を借りた。場所後に引退相撲を迎える大島親方は「まげがなくなったら横綱に胸は出せない」とも話しており、稽古場のまげ姿もこれで見納め。入門時から鍛えてもらった胸に、思い出をかみしめながら6度ぶつかった。白鵬は「(モンゴルから)衛星放送で見ていたまげ姿で、最後に稽古つけてもらった。時間は早いね」と感慨にふけった。

 稽古では新小結魁聖と11番で9勝2敗。悩みの種だった左膝痛も「違和感も全くと言っていいほどない。ここ1年、場所前の木曜に調子を上げたまま稽古したのは久しぶり」と笑みがこぼれた。初日までは稽古を休むのが通例だが「まわしをつけてもいいのかな」と新たな調整法も示唆していた。