48グループの歴史が変わった。SKE48が27人をランクインさせ、AKB48の23人を抜き、総選挙7回の歴史で初めて獲得枠数で「第1党」にのし上がった。選抜メンバー数でも、松井珠理奈(18)が5位に入ったのを最高に5人が入り、AKB48の6人に肉薄。またNMB48、HKT48も2ケタの「議席」を獲得した。創設から10年目、48グループの勢力図が、地方へと広がってきた。

 ヤフオクドームに、27回もの勝ち名乗りが響いた。「SKE48! チーム…」。徳光和夫アナのコールが響くたび、ヤフオクドームはどよめきに似た歓声に包まれた。AKB48のプライドも、地元開催に燃えるHKT48の勢いも蹴散らし、堂々の第1党。選挙に強いSKE48は健在だった。

 77位で石田安奈が呼ばれたのを号砲に、アップカミングガールズ(65~80位)に7人が入るロケットスタートを切った。上位になっても快進撃は止まらない。高柳明音が14位、松村香織が13位に入り初選抜。選抜は過去最高の5人が選ばれた。

 09年の第1回、ランクインしたのは松井珠理奈(19位)松井玲奈(29位)だけだった。しかし、今まで1度もランクイン数を減らさず、右肩上がりの成長を証明。昨年のランクインメンバーのうち、古川愛李や木下有希子ら6人も卒業。それでも、今年は石田や加藤るみら先輩勢が踏ん張ったのを筆頭に、10人が初ランクインした。

 選挙に勝負をかける理由がある。東京のAKB48、大阪のNMB48とは違い、グループが拠点にしている名古屋や東海地域では仕事の数が圧倒的に少ない。東京や大阪と対等以上に戦うためファンも結束する。AKB48から移籍してきた27位大場美奈は「SKE48では、総選挙はすごく大事。ランクインすることで、できるお仕事が多い。だからファンも必死に戦ってくれる」と熱の高さに驚く。

 だからメンバーは日々の劇場公演も全力だ。「誰がどこで見てくれているか分からないから」が合言葉だ。ファンも劇場で地道に頑張る、日陰のメンバーをとことん応援する。15位に入った柴田阿弥は言う。「SKE48が、世界で1番のアイドルグループだと思う。SKE48には未来しかない。みなさん早く、そんなメンバーを見つけてほしい」と胸を張った。【森本隆】