これこそマリコ様効果だ-。AKB48第4回選抜総選挙で33位に入ったAKB48の岩佐美咲(17)が9日、都内で「無人駅」歌唱&選挙結果報告会を開催。イベント後、取材陣を前に「もっと前に出たい」と宣言した。6日の開票イベントで5位の篠田麻里子(26)が、後輩に向けて「つぶすつもりで来て」とスピーチしたことを受け、遠慮がちだった岩佐のハートにも火がついた。

 控えめなイメージの岩佐が、強い口調で宣言した。「私、まだ17歳で、(渡辺)麻友さんよりも年下なんです。だから、『次世代メンバー』も狙えると思うんです。(篠田)麻里子さまの言葉を受けて、これからはもっともっと前に出ていきたいと決心しました」。

 開票の結果、33~48位のメンバーで結成された「ネクストガールズ」のセンターポジションを務めることになった。第3回までは圏外ゆえに「みなさんのおかげで、33位という、私にはもったいないくらい素晴らしい順位をいただくことができました」と頭を下げたが、すぐに「満足したらそこで終わってしまうと思うので、これからもずっと上を目指していきたい」と表情を引き締めた。

 雨天の中、集まったファン約1000人の前では、AKB48初の演歌歌手としてリリースしたソロデビュー曲「無人駅」、AKB48の「ヘビーローテーション」の演歌バージョンを披露した。7歳と4歳の女児と訪れた40代の男性は「家族全員がわさみん(岩佐)『推し』です。歌謡曲のイベントにも行きました。娘たちが演歌を知るいい機会にもなっています」と言った。岩佐が所属するユニット、渡り廊下走り隊7が大好きだという2人は「わさみん、おめでとう!」とはしゃいでいた。

 先月22日、所属事務所の会長・長良じゅんさん(本名・神林義忠=享年74)の本葬に参列した。祭壇を前に、長良さんから掛けてもらった言葉を思い出していた。「私が若い人に演歌を伝えていきたいと言ったら、『そういう風になれ。頑張れ』と言ってくださいました」。その約束通り、岩佐はアイドル兼演歌歌手の特性を生かし、世代間の懸け橋になろうとしている。

 この日、「AKB48で、私にしか着られない」という着物姿もさまになってきた。演歌を歌えることは、マリコ様にもない個性であり武器。次世代を担う責任感を胸に、わさみんは走り始める。【横山慧】

 ◆篠田麻里子のスピーチ要旨

 後輩に席を譲れという方もいるかもしれません。でも、私は、席を譲らないと上に上がれないメンバーはAKB48では勝てないと思います。私は、皆さんと一緒に作り上げるAKB48というグループが大好きです。後輩たちは悔しい気持ちもあると思います。私も少しビックリして悔しいです。でも、そうやって悔しい力をどんどん私たちにぶつけて来てください。つぶすつもりで来てください。私はいつも待っています!

 そんな心強い後輩が出てきたならば、私は笑顔で卒業したいと思っています。

 ◆岩佐美咲(いわさ・みさき)1995年(平7)1月30日、千葉県生まれ。愛称「わさみん」。08年AKB48の7期生オーディション合格。10年チームA昇格。渡辺麻友がセンターのユニット、渡り廊下走り隊7のメンバー。今年2月1日発売の演歌「無人駅」でソロデビュー。血液型O。