東日本大震災から丸2年となった11日、AKB48グループのメンバーが被災地10カ所を訪れ、各地でライブを行った。大島優子(24)らは岩手・大槌町で中学生ら300人と交流を深め、宮城・多賀城市では被災地出身の岩田華怜(14)が今後も力になりたいと気持ちをあらたにした。東京・秋葉原をはじめAKB48、SKE48、NMB48、HKT48の各グループも、それぞれの劇場で特別公演を行った。

 大島は体育館の舞台上で笑顔で大きく手を振り続けた。「男子も女子も、後ろの方にいらっしゃるお父さんお母さんも皆さん、思いっきり楽しんでください!」。代表曲「ヘビーローテーション」を歌うと、大歓声を浴びた。

 大槌町の吉里吉里(きりきり)中学校を訪問したのは、大島と倉持明日香(23)菊地あやか(19)内田真由美(19)武藤十夢(18)竹内美宥(17)の6人。「会いたかった」「風は吹いている」「大声ダイヤモンド」など12曲を歌った。

 同町は、岩手県内でも特に津波被害が甚大だった地域で、震災2カ月後にAKB48メンバーが初めて訪れた被災地だった。全校生徒80人の同中も被災し、過半数の生徒が家を失った。沼田義孝校長(60)は「こんな、ちっちゃいところにも来てくれるなんて本当にありがたい」。

 現在無料配信中の新しい震災復興ソング「掌が語ること」を歌った後、サプライズが待っていた。生徒80人が、全国の学校などで歌われる「変わらないもの」を合唱した。感謝の心を受け止めた大島は「すごく響きました。被災地に来るのは4回目なんですが、いつも『皆さんを笑顔にしないと』と思って来るのに、そのたびに笑顔をもらっています」と目を潤ませた。

 2年前、大槌町を訪れた時は、片道7時間もかかった。「今回は5時間でした。ライブに来ていただける人も少しずつ増えている。まだまだ時間はかかるかもしれないけれど、これからもずっと応援させていただきたいです」。被災地支援は終わらない。これからも笑顔を届け続けていく。【横山慧】