AKB48選抜総選挙1位のHKT48指原莉乃(20)が手掛けるアイドルプロデュース企画が、ベールを脱いだ。AKB48グループの5大ドームツアーが16日、ナゴヤドームで行われ、指原が企画を手掛けたSKE48終身名誉研究生、松村香織(23)のインディーズデビュー曲「マツムラブ!」(発売日未定)がお披露目された。

 アンコール明け、松村がカラフルなコスチュームに身を包んで登場した。待てよ…何かおかしい。衣装に、帽子に、ブーツに、胸元のリボンに新聞紙が張り付けられている。よく見ると、日刊スポーツ発行の「AKB48グループ新聞」の紙面。指原が「予算が1万円なので、衣装はAKB新聞でつくったんですよ」と明かすと、観客約3万5000人から笑いが起きた。

 グループ史に残る珍企画だ。秋元康総合プロデューサーから松村のプロデュース指令を受けたのが指原だった。超低予算で、打ち合わせにかかる交通費も捻出できないありさま。衣装担当には「捨てた生地とか拾ってください」とまでお願いしていた。

 曲は、バスケ部の先輩への思いを歌ったアイドルソング。指原が初めて作詞に挑戦し、「われながらいい曲ですね」と自画自賛した。新聞紙で作った衣装に、自ら作詞。金を使えない分、頭をフル回転させた。

 昨年のアイドルフェス「ゆび祭り!」やHKT48劇場支配人など、最近はステージ外での活動が光る。指原は「人の人生の責任まで負いたくない」と本格的なプロデュース業には消極的だが、この日は松村のステージを心から楽しんでいた。【森本隆】