AKB48グループの東京ドームコンサート最終日公演が25日に行われ、明日27日にグループを卒業する板野友美(22)が、観客約4万2000人とメンバー253人に深い感謝を伝えた。公演後には、恩師のAKB48グループ秋元康総合プロデューサーが、日刊スポーツの単独取材に応じ、約7年10カ月前にAKB48メンバーになった板野と先に卒業した篠田麻里子(27)、28日に卒業する秋元才加(25)がAKB48に残したものを解説した。

 それぞれが望んだ形の卒業になって本当に良かった。3人は、アイドルにファッションや個のスタイルを持ち込み、よりファン層を広げてくれました。共通したのは、自分磨きに余念がなかったことでした。

 篠田は「AKBの姿勢」を教えてくれました。実は1期生オーディションで落ちたのは、完成されすぎてた子で、発足時のAKBのコンセプトと合わなかったからなんです。でも、諦めずにカフェで働きながらチャンスを待ち、ファンの後押しで加入できた。その後も目立てない端の位置でも腐らずに活路を開いた。あのショートヘアは、グループ内で埋もれないために挑戦した証しだったんです。今後も自分の道を切り開いていくでしょう。

 秋元は常にストイックでした。選抜常連組でなくても、ファンからの緑のサイリウムに包まれた東京ドームで卒業式ができたのは、生き方と努力の成果。その姿は、多くの後輩の励みになったはずです。秋元個人は、これからさらに飛躍するタイプでしょう。

 初期メンバー板野にとっては、AKBは学校で、出会った前田敦子は、良きライバルであり親友でした。先に卒業されて自問自答もあったでしょう。外から見ると板野も恵まれた環境ですが、だからこその苦悩もあったのです。今夜の超豪華な卒業コンサートでは、やりたいこと全部やってしまった。わがままな子ですよ(笑い)。でも、これも皆の励みになりました。8年間も頑張れば、わがままがかなえられるんだと。その代わり、板野には今後も皆の手本になっていってほしいです。

 このドームツアーで、若手も多く出てきましたが、春の研究生日本武道館コンサートでのファンの熱さが、後押ししてくれた結果です。これで上の世代も刺激を受け、さらなる化学反応が起きると期待しています。(秋元康談)