【ソウル23日=小林千穂】俳優妻夫木聡(28)が、主演映画で日韓合作「ノーボーイズ、ノークライ」(キム・ヨンナム監督、夏公開)のプレミア試写会のため、ソウルを訪れた。2日間の滞在で10回、計約2000人を前に舞台あいさつを行う予定で「舞台あいさつは役者として一番幸せな瞬間。本当にうれしいです」。この日は会見も行われ、報道陣150人が出席、韓国での人気の高さをうかがわせた。

 金浦空港に到着した妻夫木を、約250人のファンと100人以上の報道陣が待ち構えた。女性たちが妻夫木めがけて突進し、車を囲んで歓声を上げた。市内から来たという女性2人は、流ちょうな日本語で「彼のために日本語を勉強しました」と、手作りの横断幕を掲げた。ファンの間では妻夫木の酒好きはかなり知られているようで、地酒をスタッフに託したり、舞台でも酒らしきものを手渡すファンもいた。

 マスコミ、ファンの注目の高さに、妻夫木は「日本よりフラッシュの数が多いかも。びっくりしてます。(ファンは)情熱的ですね。迎えてくれる空気が温かくてうれしかったです」。

 同作でのせりふのほとんどは韓国語。共演者ハ・ジョンウ(31)のせりふも覚え、意味をつかんで芝居するよう心掛けたという。流れるような発音での自己紹介に、会場からは拍手が起こった。「(ジョンウと)友達になれた。刺激的な出会いで、1秒1秒が濃く、終わった時は泣いてしまいました」と話す妻夫木の人気は、韓国でもますます高まりそうだ。