名作コミック原作の映画「あしたのジョー」(曽利文彦監督、来年公開)のヒロイン白木葉子を、女優香里奈(26)が演じることが4月30日、分かった。葉子は白木財閥令嬢で、矢吹丈(ジョー)、力石徹ら、ボクサーたちを見守り支え続けた同作に欠かせない女性。すでにジョーをNEWS山下智久、力石を伊勢谷友介、トレーナーの丹下段平を香川照之が演じることが発表されており、これで主要キャストが出そろった。5月末に撮了予定。

 キャスティングが注目された葉子に決まった香里奈は「たくさんの方々に愛されてきているキャラクターを演じられることを、プレッシャーに感じるとともに、とてもうれしく思っています。ボクシングを通してさまざまな影響を受け、心情が少しずつ変化していく葉子を、芯のある凛(りん)としたイメージを持ちつつ、強く優しく演じたいと思います」と意気込みを語った。

 葉子は財閥の令嬢であり、ジョーのライバル力石が所属する白木ジムを切り盛りする。ジョーを慕いながら、男たちの壮絶な戦いを見守るという役どころだ。原作からファンも多く、これまで、劇場版アニメでは檀ふみ、実写版では高樹蓉子が演じている。

 デザイナーとしても活躍する香里奈は、衣装から葉子という役へのアプローチも試みる。ジョーが育った街を訪れる重要なシーンでは、自分でデザインと監修したコートとワンピースを着用するという。

 プロデューサーの伊与田英徳氏は「香里奈さんなら、この時代のファッションを新しくよみがえらせることができると考えました。現代の観客を振り向かせ、原作と映画のかけ橋になることを期待して依頼しました」と話した。

 同作は3月下旬にクランクイン、秋に完成予定。映画ではジョーと力石との対戦を中心に描かれる。舞台となる東京・山谷を、都内近郊に5000平方メートルの巨大セットを建設し再現した。