ニッポン放送アナウンサーとして、現在はフリーアナウンサーとして、培ったトークと伝えるチカラをペンに持ちかえ、読者の皆さまにお送りします!

ニッポン放送アナウンサー時代の五戸美樹です(ニッポン放送の収録スタジオにて)
ニッポン放送アナウンサー時代の五戸美樹です(ニッポン放送の収録スタジオにて)

トーク編①「自分を覚えてもらうには」

 日刊スポーツコム(nikkansports.com)でコラムを書かせていただきます、フリーアナウンサーの五戸美樹と申します。五戸は「ごのへ」と読みます。青森に「八戸市(はちのへし)」ってありますよね? 五戸は八戸の“5バージョン”なんです。名字だと一戸さんから九戸さんまでいるんですよ。私、父が青森の出身で…

 というのは、私がよく使っている自己紹介。相手に自分を覚えてもらうための、ちょっとした作戦です。

 このコラムではこんな風に、私が気にしていることや学んだことをお伝えすることで、読者の皆さんのお役に立てればと思っています。人生がガラリと変わるような、そんなうまい話ではないけれど、明日がちょっと明るくなるような、そんなお話ができればと。

トークに悩んでいる方は

 私は今、エイベックス・マネジメント(株)という事務所に所属していて、エイベックス・アーティストアカデミーでトークをレッスンする講師も務めているんですが、そこでよく、「どうやったら人前でうまくしゃべれますか?」「どうやったらアナウンサーみたいにキレイに話せますか?」といった質問を、男女・年齢問わず受けます。トークに悩んでいる方は思いのほか多いのだなぁと感じています。

 もともとはニッポン放送というラジオ局でアナウンサーとして働いていたので、トークに関してはそこで学んだことが大きいです。ラジオという音声メディアだからこそ、トーク内容と声に集中していた気がしますし、得た技術や知識は私の財産です。今でもラジオは聞くのも仕事するのも大好きです。

イベント司会も担当しています(2016年9月撮影)
イベント司会も担当しています(2016年9月撮影)

名前を名乗って挨拶する

 ニッポン放送で最初に習ったのが自己紹介。特に、初めてお会いする方には名前を名乗って挨拶するように、先輩から口を酸っぱくして言われました。トークレッスンをする時も、この話を最初にします。

 会社員の方だと、初めてお会いする方とは名刺を交換するでしょうし、その時に名前を名乗るのは当たり前なことだとは思いますが、名刺を持たない方、例えば学生や主婦の方、もしくは会社員であってもプライベートではあまり気にしない、という方は意外と多い印象です。何かの集まりの時に「あの人、誰なんだろう」と最後まで思い続ける、なんてこと、ありますよね。

しゃべる番がきたぞチャ~ンス

 人は、自分が名乗れば名乗ってくれる方がほとんど。「誰なんだろう」なんて人がいたら自分から名乗っちゃいましょ! この前、姪をピアノ教室まで送った時、ピアノの先生に「この子の母親の妹の五戸美樹です」と言ったら安心してくれた、なんてこともありました。

 もちろん、シーンとした会議で初対面の方が大勢いる時ではできませんし、時と場合は考えなければなりませんが。でもそんな会議でも、自分がしゃべる番があったら、「営業部で主に外勤をやっている鈴木です。今回の案件ですが…」なんて名乗りからはじめると、印象がグッと良くなる気がします。(次回はトーク編②「トークスキルに必要なこと」です)

ごのへの・ご・ろ・く

名乗れば名乗るとき名乗ってくれるコミュニケーション術