映画監督志望の青年健司(坂口健太郎)の前に突如、モノクロ映画のお姫様、美雪(綾瀬はるか)が現れた! 白黒の美雪はカラフルな世界にびっくり(かわいい)。肌にファンデーションを塗って色を付けちゃう姿に、こっちもびっくり(かわいい)。健司のことを「しもべ」と呼んだり、とにもかくにも横着だけど、健司はぞっこんです。

 美雪の秘密は「触れたら消えてしまう」こと。カラフルな世界を優しく教えてくれる健司に、心ひかれていく美雪だけど、お互いに触れることだけは、できません。愛し合う2人が選ぶ結末は果たして-。

 映画のヒロインに恋した青年と銀幕から飛び出してきたお姫様の、はかない恋物語…なんて、そんな簡単には終わりませんよ。見ている途中は「よくあるやつね~」と思いがちだけど、愛にあふれた結末にラスト20分、試写室では涙をこらえきれない人が、続出でした。ハンカチ必須です。

 それから、ファンタジーの世界にもマッチする綾瀬の美しさたるや。ヘアメークや衣装は、オードリー・ヘプバーンをほうふつとさせます。アクションもできてお姫様にもなれる、綾瀬の多才っぷりに感服です。【杉山理紗】

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