配属3カ月足らずの宙組2年目の娘役、星風まどかが、朝夏まなと・実咲凜音(みさき・りおん)の新トップコンビ本拠地お披露目となる「王家に捧ぐ歌-オペラ『アイーダ』より-」新人公演(東京宝塚劇場8月13日)で、初ヒロインに抜てきされた。

 星風が抜てきされた新人公演は、すでに兵庫・宝塚大劇場では6月23日に上演された。開演前「毎日(本公演ヒロインの)実咲(凜音)さんのおけいこを拝見させていただき、本当に私が? と。実咲さんの歌唱力に少しでも近づけるようにしたい」と不安も語っていたが、堂々の演技に周囲から好評を得ている。

 配属前の宙組公演「白夜の誓い」で、サヨナラ公演だった前トップ凰稀かなめふんする主人公の子役時代を演じセンターに立った。

 「音楽学校でのお芝居とは違った演劇は初めてで…。客席が照明で…ほんとに…あこがれの…舞台に立っているんだなって。初舞台よりも緊張しました」

 もともと「生まれながらの宝塚ファン」だと言う。「母がファンで、小さいころから宝塚を見て、キラキラしていて、ただあこがれていました」。12年前の「王家-」初演も観劇した。

 小学時代からバレエを習い、念願かない、節目100期生として合格。「音楽学校の時代から式典やイベントに参加させていただき、100年の重みを胸に刻んできました」。100期生ならではの経験だ。

 「踊ることは本当に好きですが、お芝居、歌もすべてレベルアップして、実咲さんのように、どんな役でも演じ分けられる娘役さんに近づきたいです」

 相手を和ませ、周囲にとけ込む笑顔が特徴的。芸名「まどか」は、音楽学校時代の恩師に、イメージとしてもらった漢字「円」に由来する。「温和で…まるいからでしょうか(笑い)。とげとげしくないって、言っていただきました」。融和、融合は、男役との相性が大事な宝塚の娘役にとって、欠かせない要素。大きな武器をすでに身につけている。【村上久美子】

 ◆グランド・ロマンス「王家に捧ぐ歌-オペラ『アイーダ』より-」 オペラ「アイーダ」の宝塚バージョン。03年に星組で湖月わたる、安蘭けい、檀れいらで初演。エジプトの若き将軍ラダメスが、敵対するエチオピアを攻略。捕らえた王女アイーダに心を奪われる。本公演は6月5日に宝塚大劇場で、東京宝塚劇場は7月31日に開幕。トップ朝夏まなとの本拠地お披露目。

 ☆星風(ほしかぜ)まどか 11月11日、東京都生まれ。国立音楽大付属中を経て昨年4月に「宝塚をどり」で初舞台。100期生。同年11月、配属前の宙組公演「白夜の誓い」で、凰稀かなめ演じるグスタフ3世の少年役。今年1月、阪急阪神初詣ポスターのモデル。2月に宙組配属。身長162センチ。愛称「ちき」「かなめっち」。