雪組の永久輝(とわき)せあが、人気漫画を原作にしたミュージカル「浪漫活劇 るろうに剣心」新人公演で2度目の主演を務める。東京宝塚劇場は4月14日。

 永久輝は昨年の「ルパン三世」に続き、漫画の主人公役。あこがれのトップ早霧(さぎり)せいなから「男役の芯」を教えられ、学び取る真っ最中だ。

 「品を大事に、体にも心にも“芯”のある男役になりたい。体はがっちりしているわけではないですが、黒えんびが似合う男役に」

 早霧も現役トップ中、最も小柄な168センチ。永久輝は「早霧さんの影響はかなりあります。芯の強さがすごくある方。『男役の芯。おなかに力を入れて』と言われました」と言い、あこがれのトップを、追うべき背中に定めている。

 ここ数年、新人公演で早霧が本役の役柄が多かった。本公演では今回、早霧演じる剣心の「影」を演じている。「早霧さんは『(気持ちは)男だからね』とおっしゃって。私だけの力じゃ(主演は)できない。早霧さんを見ているからこそできると思う」と話す。

 ルパンと同じ人気キャラの役でも、今回は伝説の剣士。立ち回りもあるが「小さいころからバレエをやっていて、バレエは得意ですが、運動神経はそうよくないです」と笑う。

 4月からは入団6年目に入る。「自分が誰よりも剣心を理解し、後輩にアドバイスをしないといけない立場」と自覚も出てきた。

 「人間じゃない役。妖精や死神、亡霊とか、経験していない役に挑戦し、新たな引き出しを増やしたい」

 成長カーブ、上昇過程の最中にいる。メークも「目ヂカラを意識して、目が利くように」と研究を重ねている。【村上久美子】

 ◆「浪漫活劇 るろうに剣心」 アニメ、映画化もされた和月伸宏氏の「るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-」が原作。幕末に「人斬り抜刀斎」として恐れられた伝説の剣客・緋村剣心は、明治維新後に「不殺(ころさず)」を誓い、流浪人として全国を旅していた。神谷薫(彩みちる)との出会いや、宿敵との戦いを通じて、新たな時代での生き方を模索する姿を描く。

 ☆永久輝(とわき)せあ 8月8日、東京都生まれ。11年に初舞台の97期生。12年、雪組配属。14年6月「一夢庵風流記 前田慶次」新人公演で、当時2番手の早霧せいな(現トップ)が演じた奥村助右衛門役に抜てき。昨年1月、早霧の本拠地お披露目「ルパン三世」新人公演で初主演。身長170センチ。愛称「ひとこ」「ひとみ」。