「渡る世間は鬼ばかり」など多くの名作を生んだTBSのドラマ放送枠「木曜9時」が今年秋からバラエティー番組の放送枠に変わることが23日、複数の関係者への取材で分かった。1971年(昭46)からドラマ枠になって以来、「渡る世間-」や「HOTEL」「3年B組金八先生」など話題作を放送してきたが、最近は視聴率で苦戦が続いていた。後任番組の詳細は不明だが、10月期の改編に合わせ、新たにバラエティー番組を放送する予定だ。

 「木曜9時」は、おもに家族そろって楽しめるドラマ放送枠として視聴者に親しまれてきた。しかし最近は、18日に終了した「ヤメゴク~ヤクザやめて頂きます」と1月期の「美しき罠~残花繚乱~」はともに全話平均視聴率が6%台(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と低迷。13年10月期の「夫のカノジョ」は全9話予定が8話となり、平均視聴率3・8%(同)はテレビ東京を除き、プライムタイム(午後7時~11時)の民放連続ドラマで今世紀最低記録を更新していた。

 同局は4月の改編で、かつて「水戸黄門」などを放送した「月曜8時」の枠を59年ぶりにバラエティー番組に変更したばかり。今年10月からプライムタイムの連続ドラマ放送枠は「3」となる。関係者によると、今年秋から深夜にドラマ放送枠を新設するという。

 同局は「マツコの知らない世界」「ぴったんこカン・カン」「爆報!THEフライデー」などが常時2桁の視聴率を記録するなど現在はバラエティー番組が好調。かつて「ドラマのTBS」といわれた時代もあったが、大がかりな見直しを進めている。

 ◆TBS「木曜9時」 71年10月からドラマ枠に、76年10月から音楽番組枠となり「ザ・ベストテン」などを放送。09年4月からバラエティー番組枠となり、ドラマ枠は水曜9時に移ったが、10年10月から再びドラマ枠に。「日本の嫁シリーズ」「HOTEL」「ホットマン」「サラリーマン金太郎4」「白夜行」「MOZU」などを放送。「渡る世間は鬼ばかり」は90年から11年の最終シリーズまで合計10シリーズ、「3年B組金八先生」は95年第4シリーズから第7シリーズを除いて08年第8シリーズまで放送した。