男性ダンサー5人組ユニット「バレエジェンツ」座長として人気の、バレエダンサー宮尾俊太郎(31)が29日、東京・ヒューマントラストシネマ有楽町で行われたノルウェー映画「バレエボーイズ」(ケネス・エルベバック監督)初日トークイベントに参加した。

 この日は、客席からの写真撮影が認められており、宮尾目当てと思われる30代中盤以降の女性客で会場は満員。その中に、バレエを志していると思われる少年も数名おり、司会から「少年にメッセージを」とリクエストがあった。宮尾が少年に語りかけようと客席を見ると、スマートフォンを握り締めた女性客から、相次いで「目線くださ~い!!」と声がかかり、宮尾は「言われちゃってるし」と苦笑した。

 映画は、ノルウェーの首都オスロでプロのバレエダンサーを目指す少年3人の、12歳から16歳までを追ったドキュメンタリーだ。1人は英国ロイヤル・バレエ学校を卒業し、研修生としてロイヤル・バレエ団に入団。1人は米ヒューストンのダンスカンパニーに進んだが、1人はバレエを辞め、今年7月にノルウェー軍に入隊したという。

 一方、宮尾は14歳の時に、現所属のKバレエカンパニーを率いる熊川哲也(43)が出演したCMを経て、バレエの道に進んだ。そんな自らの境遇を踏まえての映画の感想を聞かれ、熱く語った。

 「18、19歳の時、スクールが終了してからバレエ団のオーディションに、ことごとく落ちて(留学先のフランスから)帰国して1度、バレエを辞めることになった。必要とされない…存在価値を失った。でもバレエを通して全ての人に出会ったし、今の自分があるのはバレエのおかげ。(中略)バレエは生まれ持ったビジュアルが必要で、残酷なまでに役をも決まる冷酷な世界。でも頑張っていれば、きっと花開く道がある。情熱を忘れないでほしい」