女優高畑充希(23)が、来年4月スタートのNHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」(月~土曜午前8時)のヒロインに決まり、意気込みを語った。31日、東京・渋谷区の同局内で番組の会見が行われた。

 戦後の混乱期、亡くなった父親の代わりに家族を支えてたくましく生き抜いた主人公を演じる。連続ドラマはこれが初主演となる。

 「今日はみなさんありがとうございます。普段からおじさんくさいって言われることが多くて、自分ではどこがっていうのは分からないんですけど、おやじヒロインって言われた時にビビッと来たものがありまして、親にも、もう役作りはいらないねと言われました」

 普段からよく「おやじくさい」と言われるいう。「好きな食べ物を聞かれた時に、刺し身と日本酒、と答えたら、おやじくさいねと言われました」などとエピソードも明かした。

 ヒロイン決定は「先週、マネジャーさんから聞きました」という。当時の心境については「ぽかんという感じでした。いまだにフワフワしている感じもあるんですけど、ここから戦いが始まるんだなと戦が始まる前の兵士みたいな気持ちもあります」と説明した。

 NHK連続テレビ小説は杏(29)がヒロインを演じた13年度下半期の「ごちそうさん」に出演。

 「杏ちゃんの背中を見ていたので、ヒロインの大変なところや、すごく楽しいところも見ています。妹役だったので、年下としてすごくかわいがっていただいて、半年間楽しく駆け抜けた記憶があるんですけど、今回は父親であり、お姉ちゃんでありの役なので、お姉ちゃん風を吹かせて頑張ります。今はワクワクの方が大きい。ただ、撮影期間は長いので、健康診断を受けようと思います」と笑った。

 「ごちそうさん」では、歌唱力を生かし、劇中歌「焼氷有り□/(ます)の唄」を披露して話題になった。「自分で主題歌を歌ってみたい気持ちはあるか」とも聞かれたが、「すてきな方に歌って欲しいです。私は…恥ずかしいです。そんな大それたこと、できないです」と否定。「今回、お芝居でいっぱいいっぱいになるので。恒子さんに必死で、1年、集中してやります」と話した。

 朝ドラのイメージは、「おじいちゃんおばあちゃん孝行」だという。

 「『ごちそうさん』に出て思ったのが、やっと、ちゃんと自慢できる仕事ができたんだなということでした。地方ロケに行くと、役名で呼ばれるんですよ。今後は、恒子とか、とと姉ちゃん? になるのかな。たくさん見てくれるのが分かるのが、朝ドラならではの幸せなことだと思います」

 オーディションに臨んだ際の率直な心境も明かした。「正直なところ、1度朝ドラに出ているので、すごく自信があったかと言うと、なかったです。いやいや、1回出ているし、という気持ちもあった。でも、やっぱり、おやじヒロインっていうのは、とても私らしいなって思いましたし、年齢というのもあるし、人生で1度だけ挑んでみたいものではありました」

 あらためて、ドラマの意気込みを語った。

 「スピード感がある感じのお話になるかなってなんとなく思っています。朝起きて、寝起き眼で見て、15分流れるだけで元気になるようなドラマになれば。エネルギッシュに、前だけ見て進んでいけたらなと思います。娘から『とと姉ちゃん、おもしろいらしいよ』って言われたりとか、家族内で話題になって、それがお隣さんに広がっていくみたいな、みんなが朝、ちょっとうきうきするドラマにしたいです」

 制作統括の落合将氏は、高畑の起用理由について明かした。

 「オーディションの過程の中で、いろいろお芝居をして、とても輝きのある人だなと思いました。スタッフがアドリブのお芝居を同時にいろんな方に振ったりしていたんですが、高畑さんはまったく動じずに、ちょっと他のみなさんに対して面倒を見たりしていて、後ろ姿を見たときに、昭和激動の時代に家庭を背負っていく姿を見ました。マネジャーの方に聞くと、うろたえたりする時も、高畑さんは落ち着いて、大丈夫だよって言ってくれるそうです。おやじっぽい一面もあるということなので、生命力あふれるヒロインを演じていただきたい」