1997年(平9)11月に自主廃業した、山一証券の破綻の真相究明に動いた社員たちの戦いを描いた、江口洋介(48)主演のWOWOW連続ドラマW「しんがり~山一證券 最後の聖戦~」(20日スタート、日曜午後10時、全6話)の完成披露試写会が14日、都内の時事通信ホールで行われた。

 この日は司会を務めた経済キャスターの谷本有香をはじめ、元山一証券の社員が会場に足を運んだ。また会場ロビーには、山一証券の社旗も掲げられた。

 江口は、元山一証券の社員を前に「40代で会社が破綻になったら、次の職場を、まず探すのが人間。会社の不正を暴くけれど、会社の階段を上って上に行きたいのが人間なのも確か。上層部を悪にせず、同じ会社の人間とねぎらいながら、(会社の不正を)大問題として、どうやって思い切り出て動いたか…役を作りながら考えていました」と熱く語った。そして、演じた主人公・梶井について「僕は、こういう仕事なので、中間管理職の孤独の寂しさは分からない。でも、会社愛からくる正義を超えたリーダーシップになっていったのではないでしょうか?」と分析した。

 また矢島健一(59)も、山一証券の元社員たちに向かって「僕はダメ社員を演じました。実際にモデルの方もいらっしゃるので…山一の方、ごめんなさい」と苦笑しながら頭を下げた。すると客席から笑いが起きた。

 この日は、萩原聖人(44)勝村政信(52)が登壇。また日航機墜落事故などをモデルに日本航空を描いた、故山崎豊子さん原作の小説を映画化した09年「沈まぬ太陽」、さらに同事故を遺族の側から描き、WOWOWで12年に放送された「尾根のかなたに~父と息子の日航機墜落事故~ 前・後編」も手掛けた、若松節朗監督(66)も登壇した。