嵐が19日、宮城4日間公演を宮城・利府町のひとめぼれスタジアム宮城でスタートさせた。宮城県から招致を受け、被災地復興の一環として開催。計20万8000人を動員し、同県では経済効果93億円を見込んでいる。公演に合わせ、東北新幹線や在来線も増便。県全体を巻き込んだ一大イベントに発展した。

 前日までの雨模様から一転し、さわやかな青空が広がった。明るい日差しの中、嵐メンバーが中央ステージの高さ25メートル地点に登場。相葉雅紀(32)が「お待たせしました!」。松本潤(32)が「宮城祭りだ!」と叫ぶと、5万2000人から大歓声が上がった。

 同県内での公演開催は07年以来8年ぶり。大野智(34)は「震災があり、状況が変わってのライブ。心構えも変わってくる」としみじみと言った。「宮城ならではのライブに」との松本の言葉通り、地元ファンを喜ばせた。宮城のお祭り「すずめ踊り」を取り入れて観客と踊ったり「感謝カンゲキ雨嵐」を地元高校生の合唱に合わせて歌った。

 主催者側と宮城県は万全の態勢を敷いた。同県の要請で4日間公演中、東北本線の利府~仙台間の上下線で1日計26本の臨時列車を運行。終演後、東北新幹線の仙台~東京間で臨時列車1本を運行する。地元タクシー協会に対しては営業区域の一時的緩和を要請した。主催者側は観客にマイカー乗り入れを規制する一方、グッズ販売日を含む6日間、会場と4カ所を結ぶ区間で延べ2500台のシャトルバスを運行予定。この日の開演に大きな遅れはなく、終演後のシャトルバス運行もスムーズだった。

 嵐は華やかなステージ作りに集中した。高さ15メートル地点まで上がる5人乗りのフライング装置で会場上空を歌いながら移動。松本はソロ歌唱で高さ20メートル地点でフライングしながら会場上空を縦横無尽に飛び回り、何度も客席に近づいた。

 最後に、思い思いに語り掛けた。櫻井翔(33)は「もうあんな悲しい思いをしたくない。僕らやファンの皆さんと、笑顔で歩いていきましょう」。二宮和也(32)は「みんなで楽しい公演を作って一緒に元気になれれば、と思った。また会いたくなったら、県知事さんに言うんだな。みんなの一声でオレらの夢がかなったんだから。周りの人に感謝して、また一緒にいい思い出が作れたら」。賛同する拍手の嵐が響き渡った。

 終演後、櫻井は「最高の3時間でした」。松本は「宮城の皆さんが元気になってくれたらうれしいです」と充実感をにじませた。【近藤由美子】

<公演アラカルト>

 ▼日程 19、20、22、23日の4日間。公演名は「Arashi Blast in Miyagi」。

 ▼敷地 宮城県総合運動公園一帯。約146・1ヘクタールで、東京ドーム約31個分。

 ▼復興応援市場 嵐の呼び掛けで宮城県などが協力し飲食品、物産品を販売する「復興応援市場」を開催。県内外から牛タン店など約100店舗が出店。

 ▼グッズ 相葉監修のグッズでは地元企業とコラボレーションし、嵐特製「坊っちゃん石鹸」(税抜き1000円)も販売。

 ▼絵画展 「大野智と子供たちの未来絵画展 in Miyagi」を開催。子供たちの絵や大野が描いた「ちょんまげの子供」も展示。

 ▼演出 花火は1日で1600発。