昨年1月に亡くなった歌手やしきたかじんさん(享年64)のさくら夫人が、元弟子の打越元久氏にインターネットラジオなどで、名誉を傷つけられたとして、1000万円の損害賠償を求めて、大阪地裁に提訴した訴訟は、30日に和解勧告を受け入れる期日を迎えたが、和解成立にはならなかった。

 この日、被告側代理人が「期日取り消しです」と話し、裁判所の審判を待つことになり、10月28日に判決言い渡しを受ける。

 また、8月31日に、約半年ぶりに再開された同訴訟の第2回口頭弁論で、被告側証人として出廷した元マネジャーK氏が、作家百田尚樹氏のノンフィクション「殉愛」で名誉を傷つけられたとして、百田氏を含め、さくら夫人側を相手に提訴する考えを明かしていたが、これについても準備を進めている。

 代理人弁護士によると、名誉毀損(きそん)での損害賠償請求訴訟になるといい「金額など、詳細はこれから詰めていく。今、準備を進めている」。提訴時期は、10月28日の判決の前後になりそうだという。

 K氏は02年春からたかじんさんのマネジャーを務めており、長く信頼関係にあった。たかじんさんが亡くなる5日前にも面会しており、遺言書の作成にも弁護士ともども立ち会った。

 K氏は8月31日に出廷後、会見し「こういった(裁判続きの)状況に陥ったのは、僕の責任でもある。師匠のずっとそばにいて、僕がこの流れを止められなかった。打越さんら(旧知の関係者)にも迷惑をかけた。最後は僕が行かんと(提訴しないと)収まらないかな」と話していた。