歌手ささきいさお(73)が6日、都内でデビュー55周年記念ライブのアンコール公演を行った。昨年5月の誕生日に合わせて行ったライブが大盛況。ファンから再演の声が多数寄せられて、今回のアンコール公演になった。

 「アニメソング界の大王」の異名を持つささきらしく、アニソンの定番「銀河鉄道999」からスタート。「ゲッターロボ!」などを汗だくになりながら歌唱し、「こんなに最初から飛ばして最後まで持つのかな」と笑わせた。

 何度も汗をぬぐいながらも、まったく手はゆるめない。もともとはロカビリー歌手としてデビューをし、“和製プレスリー”がキャッチフレーズ。当時の思い出話をした後で、プレスリーの「好きにならずにはいられない」などを激しいツイストを踊りながら歌唱。ステージを所狭しと踊った後で、5月25日に発売の新曲「今の向こうの今を」を初披露するなど、盛りだくさんの内容で前半を終えた。

 15分の休憩を取ると、後半は「宇宙戦艦ヤマト」からスタート。アンコールを加えると3時間以上かけて36曲を約1100人に届けた。

 ライブ前の取材では「55周年といっても、右往左往してきただけで、15年くらいしかたっていない感じ」と変わらぬ笑顔で話した。ただ、歌唱には“年の功”とでも言うべき熟練味が加わってきたという。「昔は若さに任せてぶつけるように歌って、聞く人のことをあまり考えていなかった。今は、ぶつけたり、受け止めたり…。より深くなった気がする」。歌唱巧者となっても妥協はせず、「原曲のキーを下げて歌わない」という信条をこの日も貫いていた。

 脳リンパ腫で入院中の松方弘樹とは同い年。自身も健康には気を付けていて、ジム通いで運動を欠かさないようにしている。「10年くらい前から脊柱管狭窄(きょうさく)症で右足がしびれている。昔は右足だけだと立てなかったけど、最近は大丈夫。運動のおかげかな。継続は力なりです」と笑い飛ばしていた。