読売テレビのスペシャルドラマ「ぼくのいのち~生存率0%の病と闘ったある家族の物語~」(23日午後9時、全国ネット)の完成披露試写会が大阪市内の同局で行われた。

 同局の汐口武史プロデューサー(32)が出席し、母親役を演じた女優木村佳乃(39)が撮影で見せた「母親の素顔」を明かした。

 ドラマは、兵庫県に住んでいた4歳の少年の壮絶な実話をもとに吉田紀子の脚本で映像化した。木村が演じる川田三千代が風邪で熱が下がらない4歳の次男、祐平(横山歩)を病院に連れて行き、100万人に1人が発症するといわれる子どものがん「肝芽腫(かんがしゅ)」と診断される。手術を受け1度は回復するが、がんが転移する。医師から「2年生存率は0%」と宣告されるが、子どもの「生きる力」を信じて過酷な治療を受けることを決断する。

 私生活でも俳優東山紀之との間に2歳と4歳の女児がいる木村は台本を手にした時に「泣いてしまって、ちゃんと読めなかった」と号泣したといい、撮影後は「(自分の)子どもに見せたい」という思い入れのある作品になった。

 汐口プロデューサーは木村の熱演について「実際に2児のおかあさんであり、ちょっとした表情にもおかあさんにしか出せない表情があった。母親としてのリアルな姿があった」。子どもへの深い愛情、夫役の北村一輝ら家族とともに困難に立ち向かう勇気。「すごく真っすぐ人で、芯の強さがあった」(同プロデューサー)。結婚、出産、育児を経験した木村の母親としての感情表現は見どころだ。