胃潰瘍のため東京・歌舞伎座「三月大歌舞伎」を初日3日から休演していた人間国宝の尾上菊五郎(73)が12日に復帰した。

 関係者によると、1日に入院、6日に退院したという。当初は軟らかい食事を取っていたが、現在は通常通りの食事に戻っているとした。長男尾上菊之助(38)が代役を務めていた昼の部「鎌倉三代記」、夜の部の5代目中村雀右衛門の襲名披露「口上」ともに出演、観客から大きな拍手が起こった。

 今月は襲名披露興行のため、ぎりぎりまで出演を希望していたという。それだけに、口上では、20年前に「鎌倉三代記」で4代目雀右衛門さんと共演した思い出を語り「2代にわたってつとめさせていただけること、この上の喜びはございません」。