宝塚歌劇花組公演「ミー&マイガール」が29日、兵庫・宝塚大劇場で開幕した。

 トップ明日海(あすみ)りおは、下町育ちで名門貴族を継ぐことになる青年ビル役で主演。「おとなしく、まとまらないようにしたい」と言い、主人公の得意技、帽子を扱った「ハット・トリック」や、リンゴを使ったパフォーマンスも披露した。

 同作はロンドンで大ヒットしたミュージカル。宝塚では87年に初演され、以来、再演が重ねられる名作の1つ。1930年代のロンドンを舞台に、下町育ちの青年が、一人前の紳士に成長するまでを描く。

 コメディー部分は、明日海がトップのバトンを受けた先輩、前花組トップ蘭寿(らんじゅ)とむが出演していた「地球ゴージャス」プロデュース公演を参考に。城田優、蘭寿らの演技から「余分な力をいかに抜くか」をテーマに役作りし、トップ娘役花乃(かの)まりあと、息の合ったセリフの掛け合いでもわかせた。

 今作は明日海にとって、08年新人公演で初主演した思い出深い作品。当時の本公演では女役ジャッキーなどを役代わりし、他の役も全編女役だった。女役経験を経て、男役の楽しさを再確認した舞台だけに、今回も帽子を破くまでトリックの練習するなど、熱いけいこを重ねてきた。

 また、今公演では役代わりが複数あり、明日海も「予期できない化学反応を期待しています」。初日のこの日は、2番手の芹香斗亜(せりか・とあ)が公爵夫人の友人で遺言執行人のジョン卿を、今作で退団する鳳真由(おおとり・まゆ)は伯爵家の弁護士役。人気スターの柚香光(ゆずか・れい)は、公爵夫人のめいでビルに迫る娘・ジャッキーを、公爵夫人のおいでジャッキーの婚約者ジェラルドは水美舞斗(みなみ・まいと)が演じた。

 役代わりは、ジョン卿を芹香と瀬戸(せと)かずや、ジャッキーを柚香と鳳月杏(ほうづき・あん)、ジェラルドは水美と芹香、弁護士は鳳と柚香。マリア公爵夫人は桜咲彩花(おうさき・あやか)と仙名彩世(せんな・あやせ)。

 公演は兵庫・宝塚大劇場で6月6日まで、東京宝塚劇場は6月24日~7月31日。