ポール・マッカートニー(73)が、1970年のビートルズの解散で落ち込み、当時は酒で気を紛らわせる日々が続いたことを初告白した。

 マッカートニーは英BBCラジオの番組「マスターテープス」の収録中に、「解散後はかなり落ち込んだ。生涯の友人たちから離れたわけだし、当然のことだ。それでアルコールに走った。初めの頃は最高だったけど、突然、楽しくなくなった。バンドに戻りたくなったので、“ウィングス”を結成したんだ」と明かした。

 ウィングスには亡くなった当時の妻リンダさんもキーボードで参加したが、ビートルズほどの成功を収めることは出来なかった。

 「僕たちは最悪だった。リンダが演奏できないことは知ってたけど、彼女は学んだ。振り返ってみると、やってよかったと思っている。エリック・クラプトン、ジミーペイジ、ジョン・ボーナムに声をかけて、スーパーグループを結成することもできたけどね。でも、ウィングスを酷評した人たちの名前は覚えていて、今でも大嫌いだ」と語った。

 1980年に暗殺されたジョン・レノンとは、レノンが死去する前に和解することができたと明かした上で、「彼が亡くなる前に和解できて、本当に感謝している。もしそうでなければ、彼の死と対処するのがよりいっそう困難だっただろう」と語った。

 レノンの死から2年後、マッカートニーはレノンへの思いを綴った曲「Here  Today」を書いた。「この曲の中で、僕はジョンに“愛してる”と言っている。酒に酔った勢いでなくちゃ、彼には言えなかった言葉だ。そんな感情や、時に決まりの悪い真実を曲の中には入れることができるんだ」と語っている。(ニューヨーク=鹿目直子)