富山県富山市で3日、第1回「とやま映画祭」が開幕した。この日は、行定勲監督(47)の「ピンクとグレー」が上映され、行定監督と小川真司プロデューサーが登壇した。

 行定監督は同県内で新作映画のロケハンを行った足で、映画祭に参加。同映画祭では5日に、行定監督が熊本地震で被災した故郷・熊本を舞台に初めて撮影した39分の短編映画「うつくしいひと」の上映も行われる。上映には同監督と、映画に出演した橋本愛(20)と姜尚中(65)が登壇。熊本地震のチャリティーとして一律1000円で上映される。

 行定監督は最初に「ピンクとグレー」に出演した、中島裕翔(22)と菅田将暉(23)について語った。

 行定監督「丸1年前に撮影されたんですが、中島君は、アイドルとしてのあり方もあるのだろうけれど、役者としての経験を積んで成長具合が明らかに違う。菅田君は(「ピンクとグレー」と)並行して、auのCMの「鬼ちゃん」をやっていたけれど、彼の勢いに拍車が掛かった、のろしを上げた瞬間を撮ることができた。渋谷で撮った時は、大変だった。道路の使用許可を取るのが大変で、だましだまし撮ったんです」。

 その上で若手俳優の気質が近年、変わってきたと語った。

 行定監督「若い俳優は嫌いですよ。彼らは何も分かっていないけれど、一丁前にいきがっている。「俺、これじゃないとダメ」とか…若さですよ。こういうのが面倒くさい。リスペクトしている監督以外、心を開かなかったり。でも、最近の若い俳優は、行儀が良い。菅田は、ものすごくちゃんとしている。でも、芝居にはいるとキレ芝居をする。どれくらい、本当かウソか分からない…見ると、頼もしいよ」。

 行定監督は続いて「うつくしいひと」のチャリティー上映会について語った。

 行定監督「熊本で作った映画を、全国で見ていただいています。とやま映画祭も、チャリティー上映をしたいと早くから言っていただいた。映画は映像の中に残せる、残していくメディアです。今(撮った瞬間)しか撮れない瞬間がある。5日に上映します。募金活動もさせていただきます」。

 舞台あいさつ後、小川プロデューサーは、ロケハン中の新作映画について「撮影は富山と、それ以外でも行います。メーンキャストは決まり、脇のキャストをキャスティング中です」と語った。