高良健吾(28)橋本愛(20)らが26日、都内などで開催された短編映画祭「ショートショート・フィルムフェスティバル&アジア」の閉会式に出席した。

 出演作「うつくしいひと」(行定勲監督)が観光映像大賞を受賞し、トークショーで高良が同じキャスト、スタッフでの次回作撮影を希望した。

 撮影は昨年10月に行われた。出演者やスタッフは熊本出身者で、全編熊本ロケ。熊本の誇る大自然や、熊本城でも撮影を行った。そんな中、起きたのが今年4月の熊本地震だった。高良は「震災前の熊本の映像を残せたことは良かった。震災があったから、全国の方に届いた」と話した。今後は復興を手助けするための作品に関わりたい意向で、「震災後の熊本も、このチームで(撮影を)やれたらいいですね。していいと思う」と期待を寄せた。

 橋本は「この映画を作ったときは、ほぼ自己満足だった。行定監督の現場に参加できて楽しかったし、こういう映画が好きな人に見てもらえればと思っていた」と、撮影当時の心境を素直に明かした。思わぬ形で作品が注目されたことに、「日本全国の方に見てもらって、普段こういう映画を見ない人たちにも届いたんじゃないかな」と出演の意義を感じていた。

 作品は震災後、全国各地の140以上の劇場から、チャリティー上映の依頼があったという。行定監督は「何が感動的かというと、劇場の方たちが普段の上映を休みにしてくれた。収益も『すべて義援金に』というところがほぼ全部だった」と感謝した。各地での上映会でも、郷土愛を感じるという。「皆さん、泣きながら見ているんです。『自分たちは何もできない』と言うんですけど、そういうときに駆けつけてくれるのは郷土愛だと思う。映画って何となく本質を見失いかけていた気がする。人が集まって、1つの心になるということを観客の皆さんに教えてもらった」としみじみ語った。

 ほか俳優デビューとなった映画監督の姜尚中、米村亮太郎が登壇した。